状況判断力(2)

昨日、状況判断力をつけるにはどうすればいいかということを書きましたが、実はもっといいことがあります。

 

将棋です。

 

将棋は相手の玉を詰まらせれば勝ちになるゲームですが、各局面において考え方や状況判断をしっかりしないと勝てません。

 

ただ単に自分の攻めたい手だけを考えるのではなく、盤面全体を見渡し、今どういう状況にあって、何を最優先しなければならないのか、相手は次に何をしようと考えていて、それに対して自分はどう対処しなければならないのかなど、ありとあらゆる情報を取り入れ、判断し、行動を決めます。

 

しかも、正式な将棋の試合では、持ち時間という制限時間もありますので、ダラダラと考えるのではなく、決められた時間内で判断し、最善の手を選択しなければいけません。仮に間違って悪い手を指してしまった時でもそれを後悔している暇はありません。ミスはミスで受け入れ、その結果生じた次の局面において、また最善手を探すのです。

 

その昔は、軍師といわれたこうした戦略に秀でた人が活躍し、それが生死にも大きく関わった戦国時代もありました。

 

今の時代は、何も考えずにボーっとしていてもそれなりに生きていけるかもしれません。しかし、だからこそしっかり状況判断ができる人ほど社会において活躍できるでしょうし、会社を経営するような人には不可欠な能力になります。


あるいはこれは誰にでも起こりうることですが、万が一命にかかわるような危険に直面した時でも、こうした能力が普段から鍛えられていれば、適切な対処ができ、危機を回避できる可能性が高くなります。

 

これは海外に住み、あるいは旅をすることで、少なくとも日本社会での生活よりは、ずっと危険な場面に遭遇することが多かった私自身の経験から思うことです。