ミュージアム

 

ミュージアムは、人類が築き上げてきた数々の文化遺産と芸術作品の展示場であり、また貯蔵庫でもあります。世界中のどこに行ってもいろいろなミュージアムがあり、小さくても素晴らしいものはたくさんありますが、今回は世界の中でもとりわけ有名な巨大なミュージアムをご紹介させていただきます。

 

 

 「メトロポリタン美術館」は、ニューヨーク市のマンハッタンにあるアメリカ国内最大の美術館です。

 

紀元前の昔から現代に至るまで5000年にわたる芸術作品を集めていて、「MET」の愛称でも人々に親しまれています。世界でも最大規模かつ最高の作品を取り揃えた美術館の1つで、コレクションの幅がとても広く、絵画・彫刻・写真・工芸品ほか家具・楽器・装飾品など300万点の美術品を所蔵しています。有史以前のものから現在に至るまでの世界文化を映し出す素晴らしい作品ばかりです。

 

 

 イタリアの「花の都」フィレンツェにある「ウフィッツィ美術館」は、輝かしいメディチ家の歴史の結集であり、ルネサンス美術の集大成と言えます。

 

「ウフィッツィ」とは、オフィスという意味で、昔はメディチ家の事務局として使われていたところなのですが、芸術にも関心が高かったメディチ家がそのコレクションを展示公開したことがこの美術館の始まりです。

 

ここは入館するのに長い列に並んで待たなければならないことでも有名です。私自身4時間以上待った経験がありますが、これは内部が人で混雑しないように入館者数を制限しているためです。

 

 

 イギリスのロンドンにある「大英博物館」は、かつての大英帝国が世界各地から集めた文化遺産を展示する世界最大級の公共博物館です。特に有名なのは、古代エジプトの王墓から発掘されたミイラと、エジプトの象形文字を解読する鍵になったロゼッタ・ストーンです。

 

またその広さは驚くべきほどで、私は帰ろうと思ってから外に出るまでに1時間もかかった経験があります。出口がいくつもあるために、入場時に荷物を預けたクロークのある出口にたどり着けなかったからです。

 

 

 「プラド美術館」はスペインの首都マドリードにあります。絵画館としては世界一で、歴代スペイン王室のコレクションが中心となっているのですが、かつてスペインが世界の大国であったことを思い知らされます。

 

特にベラスケス、ゴヤについては数多くの作品を所蔵しています。また、フランドル絵画やイタリア絵画の収集でも一級のコレクションを誇っています。

 

 

 フランス・パリの中心部、セーヌ川右岸に建つ「ルーヴル美術館」は、世界の美術館の代名詞ともいえます。ルーヴル美術館のコレクションは、古代オリエント期から後期印象派まで莫大な数の所蔵を誇っています。

 

もともとは12世紀末に城として建てられたものですが、その後住居用の宮殿として造り変えられました。フランス革命後になって美術館として改装され、ヨーロッパでも最も古い美術館の1つとなりました。

 

近年になって広場中央の入り口にガラス張りのピラミッドが作られました。ピラミッドの地下は広々としたホールになっていて、それを取り囲むように案内所、書店、カフェ、レストランなどがあります。また、入り口を何ヵ所にも設け、より多くの人々が美術館にスムーズに入れるようにすべてが工夫されているあたりはさすがです。

 

 

 最近は日本国内でも、海外の作品を招いて一般公開を行うことも多くなりました。それでも、やはり世界にはその土地のそのミュージアムに行かなければ見ることができない作品も数多くあります。そして、そこにおいては時と空間を超えた不思議な感覚を味わうことができます。