英語はコミュニケーションの手段

今でこそ時間がなくてなかなかできなくなりましたが、私は旅行が大好きでした。日本国内もいろんなところに行きましたが、海外もアジア、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアのたくさんの国を見てきました。

 

といっても、もうずいぶん昔の話なのですが・・・。

 

私は学生時代「比較言語・比較文化」を専攻していましたので、いろいろな国に行って、人々の文化や暮らしを見ることは、とても勉強にもなりました。

 旅行といっても、旅行会社の募集で行く団体のパックツアー旅行とはかけ離れた、ガイドブック片手に自分の足で歩くというスタイルでした。いわゆる昔流行っていたバックパッカーです。自分で行くところを決め、時刻表を見て、電車やバスのチケットを買い、安いユースホステル等に泊って、とにかく自分の考えた通りに気ままな旅をしていました。

 私がそのような旅行をするきっかけになった出来事があります。中学生の時にたまたま聞いていたラジオ番組で、世界中を旅して来たあるゲストが世界各地の話をしてくれたのです。それを聞いて、そんなに知らない世界がたくさんあることにびっくりしたのと同時に、自分でも実際にそんな世界を見てみたくなったのです。そして、それからは「世界を見る」ことを目標にして英語や他の外国語を一生懸命勉強するようになりました。

 

旅行の時、英語は本当に役に立ちました。世界には、英語圏でなくても、英語がそこそこ通じる国や地域はとても多いものです。英語ができなくても旅行をすることはできますが、英語が話せると、旅はもっともっとスムーズに楽しくなります。そして、旅行をしているときこそ、英語はコミュニケーションのための手段だなということが実感できます。

 

中学生が学校で英語を勉強していると、勉強することが、あるいはテストでいい点を取ることが目的のように思ってしまいがちですが、本当はそうではありません。

 

実際に社会にでてみると、仕事をするにも生活をするにも、他人とのコミュニケーションがとても大切なことがわかります。人は他人と接した時、話し方、話の内容で、その人がどういう人なのか、信頼できる人なのか、仕事をまかせていい人なのか、といろいろな判断をします。

 

小中学校で勉強していることはそのコミュニケーションの内容を豊かにするもの、そして英語は相手が外国人だった場合のコミュニケーションの手段です。

 

英語を勉強している小中学生たちにも、「将来、外国人とのコミュニケーションで役に立つ道具なんだ」あるいは「楽しいおしゃべりをするためにもう少しだけがんばって英語を勉強しておこう」多少でもそう考えてもらうことができればいいなと思います。